
上棟を迎えた「木想家」の施主さんのご好意で、上棟式の直会(なおらい)として、お食事をご一緒させていただきました。Mさん、どうもありがとうございました。
写真はそのお店の、私達が入っていた座敷の前で撮ったものです。これを見て皆さんはどんな印象をおもちですか?
障子や行灯、床の石張りといった、いわゆる「和風」の要素がちりばめられていますね。壁や天井は和紙張りで仕上げられ、右側の吹抜けに面した手すりは竹でした。
でも、いわゆる伝統的な和の空間ではありませんね。曲面の天井や黒い鉄の支柱といった異質な要素もあって、そもそも柱や梁が見えていません。こういうのをモダン和風と言うんでしょうか?
私は和風の特別な礼賛者ではありませんし、これはこれで楽しいと思います。フォーマルでなく、カジュアルに和の感覚を楽しめますし、作るほうも、堅苦しい決まりごとに縛られずに自由につくることができて、言い方は悪いですが、便利なのでしょうね。昨今こういう感じのお店が増えているのも、よくわかる気がします。
私はこういうモダン和風のインテリアを見たとき、それだけ自由なことをしても「和」を感じさせることが出来るということ、その日本人のDNAに深く刷り込まれた「和風」というものの懐の広さを感じますね。
でも、同じモダン和風の店でも、うまく出来ていると感じるものと、出来ていないなと感じる店があります。何がそう感じさせるのかを考えてみると、私の場合には、まずは空間の重心に絡む寸法だろうかと思います。妙に背の高い建具、釣り合いのない間口と奥行、座の高さ、照明器具の位置などで、その場の重心は乱されて、落ち着きをなくすように思います。
そしてもうひとつは、ものの触感ではないでしょうか。木や紙という呼吸する素材のサラッとした触感が見た目にも感じられ、そこに例えば漆塗りのツルッとした感じ、石や鉄のザラッとした感じがコントラストを効かせていると、とても美しいですね。素材の触感を殺しているインテリアは、見た目にも気になります。特に和の雰囲気の場合、材料の触感は視覚にも大きく影響するようですね。
まあ、それこそそんな堅苦しいことを言わずに楽しめばいいわけなんですが、私がプロだからでなく、一般の方々でも、モダン和風の上手下手というのは感じておられると思うし、ちょっと考察してみた次第です。
ちなみにこのお店、「新・精進料理」というテーマのお食事で、こちらもモダン和風と同じく今様のアレンジが加わったヘルシーな和食でした。こちらは文句のつけどころなく大変おいしくて、普段あわただしく食事を済ませている身としては、とても落ち着いてゆっくりと堪能させていただきました。ご馳走様でした!






