
写真は、先日見せていただいた建物の、大屋根の軒裏を見上げたところ。リフォームを検討されているというお話を受け、今の状態を調査させていただいた際の一枚です。
築40年近い立派な瓦屋根の家で、建物のゆがみや傾きなども全くなく、とてもいい状態で住んでおられました。この軒裏も、入母屋の立派な屋根にふさわしい、とても重厚な感じです。
これは「出桁造(だしげたづくり)」という工法ですね。重い瓦屋根の重量を支えながら軒を深く出すため、建物本体から腕木(うでぎ)を出してその上に桁を載せ、そこから垂木で軒を出すというものです。伝統的な日本の民家では垂木にはあまり大きな材を使わないので、このように桁という構造材を外に張り出すことで深い軒裏をつくるという方法がとられたんですね。何か寺社などの古建築にも通じる美しさを感じます。
桁の間に張られた軒天(のきてん:軒裏の天井)の板も、広幅の美しいものです。左側に見える窓枠や雨戸の戸袋の板などと合わせて、全てが木でできているという統一感があり、壁の黒漆喰との調和にしばらく見とれてしまった私です。いいなあ、木造って...。
しかし、住まい手の方からすれば、いくら建付けがしっかりしているといっても、やはりサッシではない木の建具にうすいシングルガラスでは、性能的に非常に厳しいですね。壁や床下にもまったく断熱がありませんので、冬は底冷えがし、夏は2階にはいられないという、温熱環境面においてはあまり良い家とは言えませんね、この時代の家というのは。それはこの家に限らず、ほぼ全ての家がそうですから、仕方ありません。
ということで現在、寒くない家、明るい家を目指して、リフォームのプランを検討しているところです。この美しい構造や屋根や軒裏に負けないような計画を考えないと、住まい手の方々に、そしてこの家にも失礼だなあと思いますので、責任重大です。心地よいプレッシャーを感じつつ、頑張りますよ!
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