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KJ WORKSの設計術や家づくりについて私の想いを、日々綴っています。
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2010年6月アーカイブ

里山を守る

 

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いつもお読みいただきありがとうございます。

 

いつもチェックしている「環境メディア」の記事から、ピックアップです。

 

「生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)」というのがこの10月に名古屋でおこなわれるそうですが、それに向けて環境省が、「里地里山」を保全・活用するための行動計画を策定することに決まったそうです。

 

里地里山って何でしょうか?私も以前から「里山」という言葉はよく使っていましたが、里地里山っていうんですね、今は。その意味するところは、完全な自然である原生林などではなく、農地、人工林、それから農業用水のため池などの、人の手が入った状態での自然環境、といったものです。これを「二次的自然環境」と言ったりもします。

 

環境省の報告によると、この里地里山は、今でも国土の約4割を占めているそうです。そして、多くの動植物が、この里山の生態系の中で命をはぐくんでいるんですね。

 

確かに私も、子供の頃に田舎のおばあちゃんのところなどで自然と触れ合ったよき思い出がありますが、それこそが「里地里山」なんですね。完全なる自然林などではなく、農地や人の手の入った林。日本の昔話に出てくる、「おじいさんが山へ柴刈りに」行く、その山こそが、里山なんです。

 

その里地里山も、人口減少や高齢化などの要因によって無管理状態になっているところが今どんどん増えているわけなんです。人の手が入った状態での自然ですから、ある程度の人為的介入がそこには必要なんですね。

 

しかし今、「里山を守れ」という動きも徐々に動き出しており、そのためのボランティアを育成するなどの試みも各地で始まっているのだとか。環境省としては、そのような動きを選考事例として紹介し、支援していくための行動計画を策定することにした、ということのようです。

 

そして環境省は先述のCOP10において、「SATOYAMAイニシアティブ」を国として提唱したい考えのようです。記事によると、「山間地の二次的自然の保全と活用の重要性を世界に訴える方針」だそうです。そしてこれを前に、行動計画を策定することで国内の里地里山保全の取り組みを後押しする、という考えなんですね。

 

このCOP10のことは私もあまり詳しくありませんが、そのためではあるとしても、里地里山保全の取り組み自体にはなんら異存はなく、とても大切なことだと思います。

 

かろうじて私も見たことのある、でも今の若い「町っ子」たちにとってはもう昔話の舞台でしかないような、里山。日本人の原風景ともいえる存在であったその自然環境を次世代に繋いでいくことは、日本人の義務であるとも言えそうですね。

 

今日は紹介に終始しましたが、以下で資料も見られますので、ぜひ一度チェックしてみてください!

 

里地里山パンフレット

http://www.env.go.jp/nature/satoyama/pamph/index.html

 

日本の里地里山の調査・分析について(中間報告)

http://www.env.go.jp/nature/satoyama/chukan.html



自然な駐車場

 

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いつもお読みいただきありがとうございます。

 

家づくりにおいて、「庭」を敷地のどこにどうつくるか、というのは、気持ちいい住まいのためにとても重要なことですね。

 

しかし、庭と同じように毎回出てくる「駐車場」も、敷地の中で結構な面積を占めるだけに、その位置や広さ、そしてその仕上材料の選択は、これまた大変重要なことだと思っています。

 

車をとめるのだから下はアスファルトでいいか!というわけにはいきません。そんなことをしたら、せっかくの気持ちいい家づくりが、そこだけ「土木工事」的なちぐはぐなものになってしまいます。モルタルやアスファルトなどの無味乾燥な仕上げは、家のすぐそばには避けたいところです。

 

使える仕上げには、タイルやインターロッキングブロックと呼ばれる舗装材などもありますし、モルタルを施工してからその表面を洗い出してザラザラに仕上げる方法もあるのですが、例えば車2台を留める面積の全てをその仕上げで覆ってしまうと、見た目もよろしくないですし、夏の照り返しもあったりして、実用面でもあまりよろしくないように思います。

 

できればタイヤが載るところだけをそのように必要な強度を持つ仕上げとして、それ以外は土や芝生などでおいておきたいなあ、と思います。あるいは上記のような仕上げをしても、いくつかのブロックに分けて、その間の溝の部分にリュウノヒゲなどの植栽をしたり。

 

とにかく、広い面積の全てをベタッと「駐車場!」という風にはしたくないなあ、と思っているわけです。お客さまにもそんなことをお話し、その都度仕上材料を決めていきます。

 

ちなみに写真のお宅は、今まで施工した中でもかなり秀逸な、素敵な駐車場に仕上がった事例です。厚みが薄めの煉瓦を、その薄い面を上にして並べているのですが、その間ひとつひとつに小さな土の部分が残るようにしてあるんです。

 

なんだか竹かごを編んだような、とても雰囲気のある仕上げになっていますでしょう?煉瓦の下地にはしっかりと捨てコンクリートを施工しているので、強度もしっかりとあります。また、土の部分はひとつひとつがとても小さいので、タイヤの荷重はきちんと煉瓦の部分に載っているんですね。

 

この仕上げ、なんとなくご想像がつくかと思いますが、すべてを職人さんがひとつひとつ並べていく、それも間の寸法をしっかりとチェックしながら並べていくので、ものすごく手間がかかりました。

 

でも、土のところに芝が根付いてくると、なんともいえない風情があって、駐車場にしておくのは勿体無いと思うほどでした。苦労した甲斐がありましたね。

 

駐車場も、敷地の一部。家と同じような配慮をもって、考えていきたいものです。



木の楽器

 

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いつもお読みいただきありがとうございます。

 

家や家具、道具などに木が使われるとき、その木の特性を活かして適材適所に使われるものですが、もうひとつ、同じように適材を選んでつくられているものについて、最近とても興味が湧き、少しずつ勉強をしています。

 

それは、楽器です。バイオリンやギター、クラリネットなどなど、楽器には木でできたものが多いですね。当然大昔から、樹脂などができる前からあるわけですから、おのずと加工しやすい木材が使われたということなのでしょうね。

 

楽器に木材が使われる場合、家具などとは違うファクターが重視されています。それは材の特性としての「響き」ですね。もちろん家具などに使う場合もその材の柔らかさは大事な要素ですが、それに加えて音の共鳴性能が、楽器に使う場合には適材選択の決め手になるわけなんですね。

 

まだまだ勉強不足ですが、例えばギターなどの表の板にはスプルースやシダー材がよく使われるようです。これはやはり、目が通っていて柔らかく、軽く、とてもよく響くということなのだと思います。

 

それに対して、例えばギターのネックの部分には、もう少し固めですが加工がしやすく美しい木目のマホガニー材がよく使われるそうですね。

 

バイオリンの裏側の板や木管楽器にもよく使われるのは、カエデ(メープル)材です。これは、木目が密で乾燥後狂いが少なく、適度な堅さとねばりと弾力があるから、なのだとか。

 

そう言えば、マリンバには「パドゥーク」という木が使われることもあるそうで、これは家具材で言うところのカリン材にあたるとのこと。現地の言葉でパドゥーク。とても綺麗な紅い色の材です。ちなみに、喉に良いカリンとは全く別の木だそうです。

 

クラリネットやオーボエに使われるのは、アフリカの木材で「グラナディラ」。別名アフリカンエボニー(アフリカの黒檀)とも呼ばれる、黒くて硬い木なんですね。

 

写真にも少し写っているバイオリンの弓、これはブラジルの木で「フェルナンブコ」というもの。ものすごく弾力性があり、弓にはもってこいなのだそうです。

 

こうして並べてみると、やはり家具と同じで、その材の性質によって選ばれているということがわかりますね。とても面白いです。でも、上記のグラナディラやフェルナンブコなどは、もう輸出制限がかかったり、その行末が危ぶまれたりしている、大変貴重な樹木なのだそうです。

 

いわば「絶滅危惧種」というわけで、楽器材料の世界にも、「良材がなくなる」という危機が訪れているんですね。

 

家具もそうですが、楽器がみな樹脂製に置き換わってしまうのは何だか寂しいこと。何か私たちにできることはないのかなあ、知れば知るほど、そんなことを思う次第です。



京都の坪庭

 

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いつもお読みいただきありがとうございます。

 

古い町家が、最近とても人気のようですね。改修をして店舗やレストランなどになっている事例を、よく目にします。

 

町家、と聞いて私が真っ先に思い浮かべるのは、京都のいわゆる「鰻の寝床」と呼ばれる細長い建物です。その空間を最初に体験したときはとてもびっくりしました。「こんな建物があり得るのか」と思いましたね。

 

その昔、建物の間口寸法で税金が決められていた時代に、その対策としてこのような建築形式が生まれたと聞いたことがあります。

 

とにかく、長い、長い。細長い建物の中にまた通り土間があったりして、奥へ奥へとひとを導きます。

 

そして、要所要所の間取りの区切りに位置しているのが、いわゆる「坪庭」です。小さな中庭ですね。京都の町家に住む、ということにおいて、この坪庭はとても大きな意味をもっているようです。

 

まずは部屋に陽の光を導く「光庭」としての機能、そしてこの小さな「穴」に上昇気流が生じることによって建物内に風を起こす効果もあるんですね。

 

そしてもちろん、その庭のしつらえによって生活に潤いを与えるという、ソフトの面でも大きな役割を担っています。長い建物の中にいくつもの坪庭をもつ家もあり、それぞれに趣向を凝らしてつくられた庭は、まさに「小宇宙」という感じの風情をもつものも多いようですね。

 

「小さなものの中に大きなものを見る」という日本人の感性が、この坪庭という秀逸な装置を生み出したのかもしれませんね。もっと大きくつくれたのに、あえて小さくしたのかも?と思ったりするくらいです。

 

実は、KJWORKSの家づくりの中でも、この京都の坪庭から発想を得た中庭をつくったことがあるんです。つくってみるとなおさらその効果を実感しますし、昔の人の知恵と感性のすばらしさを感じることができましたよ。

 

建物にとっての中と外の関係を考えるとき、街中に住む場合のそのひとつの答えが、このような形式の庭に示されている。そんなことを思いますし、それを家づくりに活かしていきたいですね、これからも。



窓の向きを決める

 

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いつもお読みいただきありがとうございます。

 

この写真、家族の間の北側にある「畳の間」から、南の方向を向いたものです。テレビが置いてある壁が、この家で一番南側にあるんです。大きな掃出し窓がある側は、東ということになりますね。

 

でも、南面には大きな窓をとって、お日様の光を取り込むようにするのが普通ですよね?なぜ南にテレビが置いてあって、小さな窓しかつくられていないのでしょう?

 

それは、この土地のかたちと周辺との位置関係から、自然に決まってきたものなんですよ。

 

この敷地は北側が道路、南側には隣地があり、南側隣地は、南側に道路があります。背中合わせの土地なんですね。もちろん、北側の道路からは駐車場を確保しないといけませんから、北側道路ぎりぎりまで建物を北に寄せることは難しいことになります。

 

また、南側の隣地の方は、当然南に大きな空地をとって、その一部を駐車場に、残りを庭にするように家を建てるはずです。ということはお隣の建物はギリギリまで北側、すなわちこちら側へ寄せて建てられるでしょう。

 

その状態でこちらの建物が普通に四角い平面だと、北側から引いている分、南側の庭は東西に細長い感じのかたちでしか残らないと予想されました。それでは、すぐそばにせまっている南側建物の北側壁面を見ながら暮らすようなもので、ちっとも楽しくありませんね。

 

そこで、この建物は平面形状をT型にしました。Tの字が横をむいている、カタカナのトの感じです。そしてトの縦棒にあたる部分は敷地の北側から南側までいっぱいに配置し、そしてその真中あたりから横棒に当たる部分を東に伸ばします。

 

そうすると、敷地の北東角と、南東角に、ぽっかりと正方形に近い空きができました。その北東の空きを2台分の駐車場にし、南東のほうを庭にしてデッキをつくりました。

 

そうすると、同じ面積の庭でも、東西に細長いものよりも、奥行きのあるまとまった形の庭になったんです。

 

もう、おわかりでしょうか?東側の掃出し窓が、その庭に面しているんですね。そして南側の高窓は、敷地の南側境界ギリギリまで寄せられた壁に付いているんです。そちらに大きな窓をとっても、南の建物が見えるだけなので、日光を取り入れるためのポツ窓を3つ、付けるだけにしたんです。

 

もちろん、トの字の横棒の部分(そこはキッチンとダイニングです)の南側も掃出し窓にしてあります。南東角の庭に面して2方が掃出し窓となり、L型に囲まれたデッキがまさにアウトドアリビングに感じられるという、とても開放的な気持ちいい空間になりました。

 

そんな風に、間取りによっては南側に窓があっても仕方がない場合もあるんですね。

 

土地のかたち、そして周辺環境をきちんと読み込んで、間取りを考える第一歩となるのは、建物が「どの向きに開くべきか」ということです。そこから、それを実現するような間取りと窓の位置、向き、大きさを決めていく。

 

それが、私がプランを練るときの大事な道筋なんですよ。



集うキッチン、隠すキッチン

 
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いつもお読みいただきありがとうございます。

写真のキッチン、ハイチェアが並べてあって、とても素敵な雰囲気ですね。ここで朝食を食べたり、お茶を飲んだり出来るように、という意図で設計されたものです。

対面キッチンというと、ダイニング側に背中を向けないため、目が行き届いたり、会話が弾んだりという良い点があるのですが、その反面、手元が丸見えになりやすく、ゴチャゴチャしたところが隠しにくいということもあります。このように、反対側からもカウンターを活用しようという場合は、なおさらですね。

このお宅の奥さまからも、それを何とかしたい、というご要望をお聞きしました。対面にはしたいが、隠すべきところは隠したい、と。

なかなか難しいご要望に、これは困ったと唸りつつも、色々とプランを練るうちに、うまくこのような形にまとまりました。

すなわち、手前3分の2くらいはオープンな対面カウンターで「集うキッチン」に、そして奥のコンロまわりは前に壁をもってくることで「隠すキッチン」に、というプランです。

この提案は奥さまにも喜んでいただき、このように専用のハイチェアをご用意され、日々このキッチンのまわりに人が集まる、とても楽しい場所になりました。

一軒一軒その間取りが違うように、キッチンのありようもご家族によって一軒一軒違います。そのご希望に耳を傾け、一緒にそのあり方を考え、システムキッチンでは絶対にできない、このような世界で一つのオリジナルのキッチンをつくること。

それは私たちの家づくりの中心にあると言ってもいいくらいに、とても大切なことなんですよ。








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