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この写真、家族の間の北側にある「畳の間」から、南の方向を向いたものです。テレビが置いてある壁が、この家で一番南側にあるんです。大きな掃出し窓がある側は、東ということになりますね。
でも、南面には大きな窓をとって、お日様の光を取り込むようにするのが普通ですよね?なぜ南にテレビが置いてあって、小さな窓しかつくられていないのでしょう?
それは、この土地のかたちと周辺との位置関係から、自然に決まってきたものなんですよ。
この敷地は北側が道路、南側には隣地があり、南側隣地は、南側に道路があります。背中合わせの土地なんですね。もちろん、北側の道路からは駐車場を確保しないといけませんから、北側道路ぎりぎりまで建物を北に寄せることは難しいことになります。
また、南側の隣地の方は、当然南に大きな空地をとって、その一部を駐車場に、残りを庭にするように家を建てるはずです。ということはお隣の建物はギリギリまで北側、すなわちこちら側へ寄せて建てられるでしょう。
その状態でこちらの建物が普通に四角い平面だと、北側から引いている分、南側の庭は東西に細長い感じのかたちでしか残らないと予想されました。それでは、すぐそばにせまっている南側建物の北側壁面を見ながら暮らすようなもので、ちっとも楽しくありませんね。
そこで、この建物は平面形状をT型にしました。Tの字が横をむいている、カタカナのトの感じです。そしてトの縦棒にあたる部分は敷地の北側から南側までいっぱいに配置し、そしてその真中あたりから横棒に当たる部分を東に伸ばします。
そうすると、敷地の北東角と、南東角に、ぽっかりと正方形に近い空きができました。その北東の空きを2台分の駐車場にし、南東のほうを庭にしてデッキをつくりました。
そうすると、同じ面積の庭でも、東西に細長いものよりも、奥行きのあるまとまった形の庭になったんです。
もう、おわかりでしょうか?東側の掃出し窓が、その庭に面しているんですね。そして南側の高窓は、敷地の南側境界ギリギリまで寄せられた壁に付いているんです。そちらに大きな窓をとっても、南の建物が見えるだけなので、日光を取り入れるためのポツ窓を3つ、付けるだけにしたんです。
もちろん、トの字の横棒の部分(そこはキッチンとダイニングです)の南側も掃出し窓にしてあります。南東角の庭に面して2方が掃出し窓となり、L型に囲まれたデッキがまさにアウトドアリビングに感じられるという、とても開放的な気持ちいい空間になりました。
そんな風に、間取りによっては南側に窓があっても仕方がない場合もあるんですね。
土地のかたち、そして周辺環境をきちんと読み込んで、間取りを考える第一歩となるのは、建物が「どの向きに開くべきか」ということです。そこから、それを実現するような間取りと窓の位置、向き、大きさを決めていく。
それが、私がプランを練るときの大事な道筋なんですよ。






