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国の特別天然記念物である「ライチョウ」。長く見ることができなかったこの稀少種の鳥が、石川県の白山で66年ぶりに発見されたのは、昨年6月のことでした。
しかし、6月に1回、10月に2回、同じ個体と見られるその姿が確認されてからは、目撃情報が途絶えてしまったんですね。そこで県白山自然保護センターと環境省中部地方環境事務所は、今年の5月から計8回、ライチョ ウの生息調査を実施したそうです。そしてついにこの8月3日午後、体長約40センチの雌1羽を確認。昨年見られたのと同じ個体とのこと。
このライチョウ、ちゃんと白山で越冬をしてくれていたんですね。羽も「夏羽」と呼ばれる暗褐色のものに生え変わり、元気な姿を見せていくれているようです。
たかが鳥一羽、と思われるかもしれませんが、このような稀少種が復活の兆しを見せてくれるというのは、たくさんの種を絶滅させてきた我々人間という種にとって、「救い」とも言える出来事なのだと、私には思えてなりません。
しかし、世の中にはそんなことはどうでもいい人達が多いのです。今回も、「登山客が多い期間の発表を避けてほしい」との要請が環境省からあったことで、個体の確認から一ヶ月後の発表になったと聞きます。なぜそんなことになるか。「自分がライチョウを見る」ことだけが大事と考える登山客が押し寄せるからです。
昨年からトキが飛来している黒部市の事例でも、近くで写真を撮るために携帯電話やカメラをもってトキに近づいたり、飛び立つ姿を撮影するために石を投げるなど、恥ずかしく情けない行為が相次いだと聞きます。結果的に、トキは滑川市や富山市に移動してしまったのだそうです。
今回一羽しか見つかっていないライチョウ。その一羽に対して同じようなことをすれば、どうなるか。容易に想像がつきますよね。
県としても「むやみに人が近づけばストレスを与え、ライチョウが白山から離れてしまう可能性もある」と考えているようです。登山客らに静かに見守ってもらうことを呼びかけるそうですが、心ある行動を守ることで、このライチョウがしっかりと白山に定着してくれるようにしていくのは、同じ環境を共有している我々の義務ではないでしょうか。
独りよがりの自分勝手が悲劇を生まないことを、祈らずにはいられません。






