ご愛読、ありがとうございます。
以前にも一度ご紹介したことがあるのですが、新しいバイオマスエネルギーの担い手として、「藻」がとても注目されているようです。それに関する話を2つも続けて目にしましたので、再度採りあげてみます。
まずは写真の藻類、名は「オーランチオキトリウム」と言います。この藻は、光合成ではなく、有機物を吸収して増殖します。そして体内に炭化水素(石油)を生成、蓄積する性質があるんです。
これを利用し、下水処理施設に集まる生活排水を使ってこの藻を培養するという研究がついに実用化に向けて動き出しているということです。仙台市、筑波大、東北大が共同でおこなうもので、本年度内の実証実験スタートとなります。
狙っているのは、下水処理をしながら、生活排水から石油を生み出すこと。再生可能エネルギー精算と処理費用削減を両立させ、環境配慮型の循環システムを生み出そうというわけですね。
素晴らしいことですね。これが震災後の東北で進められているのも意義あることです。エネルギーや環境の問題といった、震災が浮き彫りにしたとも言える課題の解決に向けた大きな一歩だと思います。
そしてもうひとつの藻の話。こちらも同様に石油を算出する藻ですが、また種類が違います。「ボトリオコッカス」という単細胞の小さな藻の一種で、神戸大による品種改良で生まれた画期的な種、「榎本藻」です。
「榎本藻」はオーランチオキトリウムと違って、光合成で二酸化炭素を吸収し、重油成分に相当する炭化水素を生成、蓄積します。1・5リットルの培養液から2~3ミリリットルの油ができるそうです。
この品種改良された種がすごいのは、その増殖速度です。通常の藻の1000倍と言いますから、とんでもないスピードですね。
こちらは光合成で空気中の二酸化炭素から石油を生成するため、その培養によってCO2の減少と再生可能エネルギーの生産、それが両立するということになります。
しかもその油は燃やしてもいわゆる「カーボンニュートラル」であり、空気中の二酸化炭素を増やすことにはならないのですね。だってそれから作られた油ですから。これもまた素晴らしいことだと思います。
かたや生活排水から、かたや空気中に増殖している二酸化炭素から、バイオマスエネルギーを生み出す。どちらもエネルギー生産と環境貢献が同時にできているのが魅力ですね。
生成コストなどの課題はまだあるようですが、持続可能社会の実現にとって、非常に有益なエネルギー生産の新しい仕組みだと思います。私、その発想に感心しきりであります!






