新年、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
新年一回目ということで、今までとは全く違う、新しい「建築」の世界を拓くような建物のことを。
写真は、台湾中部の台中市に建設が計画されている「台湾タワー」のコンペ最優秀作の完成予想図です。透けるような巨大なタワーが光り輝き、夜空に映えて美しいですね。
この画像は横からですが、この塔の平面的な形は三角形です。これは台湾島の形から来ているそうで、床面積は1万㎡。てっぺんは平らで、高さ300メートルの上空に、2000人が収容できる庭園が浮かんでいるというもの。今までつくられてきた「塔」というもののイメージを全く根底から覆す、斬新な形です。
しかもその構造体は、ガジュマルからヒントを得たという複雑に絡み合った支柱構造となっています。とても口では説明できないもので、下から見上げるとこんな感じになるといいます。まさに透けるような構造ですね。
この台湾タワーコンペで最優秀を勝ち取ったのは、日本の建築家、藤本壮介氏です。氏はこの建物のコンセプトを「21世紀のオアシス」だと述べています。
氏は言います、今まで「塔」とは、高さを競うための構築物であり、その形状は全て、初期の塔の傑作である「エッフェル塔」のバリエーションの域から抜け出せていないと。
そしてこの台湾タワーは機械ではなく環境であり、高さを競うための単なるモノではなく、現象としてのタワーである、と。
塔の下には、支柱構造の間から木漏れ日のような光が漏れる、森の中のような「地上のオアシス」をつくり、地上300メートルには屋上庭園という「空中のオアシス」をつくる。そんな「21世紀のオアシス」としての塔。確かに、出来たら是非見てみたいと思う、とても魅力的なものですね。
私は、木造住宅をつくることに携わっていますが、すべての建築物が木造でないといけないとは思っていませんし、高層建築物が嫌いなわけでもありません。
むしろ街づくりとは、高層化するところはどんどん高くして超々高層化し、その分周辺に緑のエリアを増やすような、ヒエラルキーをもったものであるべきだと思っています。そして、人が暮らす場所、そのインターフェイスの部分には自然素材を使ったほうがいい。そう考えているんです。
一様に似たような高さの箱型のビルばかりが延々と並ぶから、街は変化に乏しく、どこもかしこもコンクリートとアスファルトの色になってしまうのではないでしょうか?
ですから、このようなタワーの建築、それも新しい建築の形を提示してくれるようなものには、とても興味がありますね。技術の粋を集めて自然の形に近づいていくような造形は、まさにこれからの建築の有り様だと感じます。
この台湾タワー、2017年の完成を目指して計画が進んでいるそうです。完成の暁には、きっと凄い観光の名所になることでしょう。
この新しい塔を見ても感じるように、建築とは、世界や人の暮らしを良くも悪くもする、大きな力をもっているものだと思います。そんな力を信じて、そしてその力を良い方へ使えるように、今年も家づくりに邁進していきたい。
そんなことを、年の始めに思っている次第であります。





