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KJ WORKS 設計士 山口のブログページです。

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デザインの骨格

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KJ WORKSの設計術や家づくりについて私の想いを、日々綴っています。
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6. 山口のモト(インプット色々)の最近のブログ記事

「おうちで楽しむにほんの行事」 - 仕事納めの日に

 

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『おうちで楽しむにほんの行事』 広田千悦子著 技術評論社

 

ご愛読、ありがとうございます。

 

今日はKJWORKSの仕事納め。皆で大掃除をし、きれいになった事務所でこのブログを書いています。

 

さて、一年の最後にどんな本を選ぶべきか色々と考えましたが、「暮らしの提案」をいつも旨としている私としては、このような本もいいかと思いまして。

 

この本の裏表紙にはこう書いてあります。まさにこのような内容です。

「季節の遊びかた、楽しみかた、暮らしかた 昔ながらの行事、四季を自宅で簡単に楽しむためのヒントがいっぱい」

 

私はKJWORKSのメルマガ「木想家通信」に、二十四節気のことを書くようにしていますが、そういうことに興味がある私でも、昔ながらの四季の行事というもの、あまり実践できていません。

 

この冬至には、温泉に入りましたが、柚子湯は出来ず。カボチャも食べませんでしたし...。

 

その反省を込めて、来年はもう少し日本の四季と折々の行事について理解を深め、実践しよう。お客さまともそんなお話が出来るようにしたい。そう思ってこの本を入手しました。

 

毎月のカレンダーと、それぞれの行事や時季の楽しみ方が、たくさんのイラストでわかりやすく表現されています。全部は自分でできなくても、ただ読んでいるだけでわかりやすく学べますし、季節の情緒を楽しむことができる、いい本です。

 

四季の国、日本に生まれた私たち。そして、先人が自然と共存し、寄り添って生きてきた中で生まれてきたそれぞれの行事、風習。そういうものは、やはり大切にしたい。きちんと継承していきたい。

 

そういうことを、一年の最後に、あらためて思うのであります。

 

 

みなさま、今年一年、本当にお世話になりました。どうもありがとうございました。

 

来年も変わらずご愛顧賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。



三つの世界

 

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ご愛読、ありがとうございます。

 

今日はまた、私が好きな絵をご紹介しましょう。エッシャーの『三つの世界』です。

 

マウリッツ・コルネリス・エッシャー(Maurits Cornelis Escher 1898年6月17日 - 1972年3月27日)は、オランダの版画家です。皆さんもきっと一度はご覧になったことがあると思います。あの、現実には存在しえない構造物を描いた絵を。

 

images こんなやつです。

 

エッシャーの版画は、非常に緻密な画面でその独特の世界を表現しています。そのテーマはいくつかあって、大体以下のように分類されるようです。

 

1.平面の正則分割
2.鏡面の表現
3.遠近法の操作
4.不可能な図形
5.多面体の表現

 

上の『物見の塔』は不可能な図形を表現したもので、日本ではこういう絵を「だまし絵」と呼んだりしますね。

 

私はどのテーマの作品もとても好きで、その偏執狂的とも言えるほどのディテールへのこだわり、緻密な表現にいつも感嘆しているのですが、この『三つの世界』は、他の作品群とは雰囲気が少し違っていると感じるんです。

 

テーマとしては「鏡面の表現」の発展形とも言える作品ですが、とても静謐で深みのあるものに仕上がっていると思います。この絵に描かれているものは、水面。ただそれだけなのですが、そこには確かに三つの違った世界が表現されていますね。

 

ひとつは、もちろん水面自体、その面の世界。落ち葉が浮かんでいます。それによって「物質」が表現されているのでしょう。

 

二つめは、水面に映った樹木。これは映り込んだ地上の世界。水面への「反射」の表現ですね。

 

そして三つめは、魚がいる水面下の世界。これは「透過」の表現だと言えるでしょう。

 

ただ一枚の絵、ただ水面が描かれているだけの絵ですし、このような光景は日常的に我々が見ているものだと思います。しかし、それがもつ意味合いをこのような表現で私たちの前にあぶりだしてみせる。その観察眼からの発想と、その技量の素晴らしさ。

 

この絵は、その静謐な雰囲気が故に、何だかとても深遠な世界、なにか大切な真理を表しているのでは、とすら私には思えてきます。また、何だかとても日本的だなあ、という気もします。

 

エッシャーの作品には、特に晩年にはそのような「真理の表現」というような感じが表れてきます。それは彼自身の世界観、それそのものなのでしょうね。

 

 

※実は、エッシャー自身が自作を語った書籍があります。朝日選書にあるのですが、そのタイトルがまさに彼の作品を一言で表したものです。『無限を求めて』という本です。



愛染

 

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ご愛読、ありがとうございます。

 

島根の足立美術館へ行ってきました。この作品、川端龍子『愛染』を観に行ってきたんです。

 

この夏にふと思い立ってから、この絵のことが頭から離れず、これは自分の中でとても大事なことなんだと感じたので、今回実現してきました。

 

素晴らしく美しい絵でしょう。その構図といい色といい、その画想といい、とても好きな作品なんです。

 

そのタイトル「愛染」とは、元々仏教用語で、「むさぼり愛し、それにとらわれ染まること」だそうです。熱い視線で見つめ合う鴛鴦(おしどり)、そのバックの燃えるような紅葉が、それを表しているのでしょうね。

 

しかし私がこの絵を好きなのは、その画題よりもむしろ、その「絵画としての面白さ」なんです。あくまでも、私の勝手な解釈ですが。

 

よく見るとこの絵は、かなり不自然な画面構成になっていることがわかります。

 

紅葉は手前も奥も同じ大きさで描かれていますね。遠近法にはのっとらない、平面的な扱いです。それに対して鴛鴦はしっかりと写実的で立体的、遠近法にかなった描かれ方です。

 

しかし紅葉は、このようなグラフィックデザイン的な表現のほうが、大きく迫力をもってこちらに訴えかけてきます。また、そこに金色の弧を描く鴛鴦は、写実的でなければ絵としてその画題を満足しない。

 

その2つの異なった画面。それをうまくまとめ上げているのが、画面右下の青い水面だと、私は思うのです。

 

この水面部分までが全て紅葉で覆われていたなら、そのグラフィック的な構成が完成してしまう。そうすると鴛鴦との間に違和感が生じます。でも、この水面があるがゆえに、紅葉の面は「立体的に見えている」のではないでしょうか。

 

グラフィックデザインのように見るものに迫る紅葉、写実の鴛鴦、それをひとつの画面に納め、かつ一見何も違和感がないように少し水面を配する。

 

そしてその水面は、燃え上がる鴛鴦の愛情を、少し鎮めてくれているかのようでもあります。

 

私は絵の素晴らしさと共に、それを実現させた画家の力量に、心から感服するのです。

 

 

『愛染』。やはり何度見ても素晴らしい、私が惚れ込んだ一枚であります。



縁側の思想

 

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ご愛読、ありがとうございます。

 

『「縁側」の思想』 ジェフリー・ムーサス著 祥伝社

 

著者はニューヨーク生まれの建築家。槇文彦、谷口吉生の事務所で勉強した後、京都の中村外二工務店にて修行。そして京都の町家を自ら修復して住んだ経験から、その後も京都に拠点を構え、町家修復を中心とした建築設計に携わっている方です。

 

本書は、その著者の町家修復体験、日本体験からの「気づき」を綴ったものだと言えますね。

 

私は時々このような外国人による日本文化論、といった感じの書籍を読みます。それは、「外からの目」によって、我々が見過ごしている日本建築の素晴らしさが浮き彫りにされていることがままあるからです。

 

やはり海外の方は、自国の文化、自国の建築物という「比較の対象」をもつが故に、その違いが際立って見え、そこに着目することが出来るのでしょうね。日本建築ばかり見ている日本人には気づかないような「ツボ」を押さえた話が読めるのはとても楽しいし、目からウロコが落ちるようなこともあります。

 

本書にも、そのような記述が多くあります。例えばこんな調子。

「このように、西洋と日本の建築技術は異なる形で発展していきました。そしてそれは自然に対する接し方にも影響したといえるでしょう。アメリカとヨーロッパでは、壁が外と内の境界を作ったため、住民と自然とを分離してしまい、未知なる自然への恐れや畏怖心を持つことにつながったのです。ハリケーンなどはコントロールできない脅威とし捉えられています。ところが、日本人は家に居ながらも自然に接してきたため、長い歳月の中、台風などの自然の猛威を経験しながらそれを受け入れ、豊かな気持ちで暮らす知恵を育んできたようです。生け花から食べ物に至るまで、四季おりおりを楽しむ日本人の生活習慣が、それを証明しているといえるでしょう。」

 

しかし、このように外国の方のほうが日本文化の素晴らしさに気づきやすい、というのは、裏をかえせば日本人は自国の文化を蔑ろにしやすい、という面もあります。悲しい事ですが。重要な作品が多く海外に流出してしまっている「浮世絵」などは、その一例ですね。

 

何も自国の文化を誇って偉そうにする必要はないのですが、その素晴らしさをより鮮明に意識する意味で、このような「異邦人」による文章は、とても意味があると思うのです。



『デザインの骨格』

 

デザインの骨格 

 

『デザインの骨格』 山中俊治著 日経BP社

 

いつもお読みいただきありがとうございます。

 

この本、私が以前からその「腕」に惚れ込んでいる、山中俊治さんの著書です。本と言っても、元々は氏のブログの文章。それを書籍化したものなんですね。デザイン・エッセイとでも言うべきものでしょうか。

 

山中氏はいわゆる「プロダクトデザイナー」です。東大で機械工学を学び、日産自動車のデザイナーを経てフリーへ。現在はデザイナーでもあり、慶應義塾大学の教授も務めておられます。

 

私が氏のどこに惚れ込んでいるか。それは、デザイナーでありエンジニアでもあるというそのバランスと、そのどちらもが極上のものであるということ、なんです。

 

氏のものづくりの発想は、とても独創的です。普通なら見過ごしてしまいがちな、意外なところに興味や疑問をもち、それをエンジニアとして解いていく。そしてそこから導かれた単純な原理を、美しいかたちにまとめあげていきます。

 

また、そのデザインの部分を支えているのが、とにかく怖いほどに達者なそのスケッチなんです。

 

そして、エンジニアとデザイナーを行き来しながらかたちになっていくそのプロダクトは、つねづね私が大事だと思っている「用の美」を体現したものばかり。

 

デザインとは、別に特別なこと、特殊な技術ではなく、観察すること、そして見えたものを単純にほぐして、何かを取り出すこと。氏のブログや本書を読んで、私はそのように教えられましたし、自分のものづくりにも活かしたいと思いました。

 

ものづくりに関わる人にとって本書や氏のブログは、必ず何か目からウロコを落としてくれる、そんな刺激がいっぱいの果実だと思います。 http://lleedd.com/blog/

 

最後に、これは山中氏が描かれた氏の手。「手の構造が好き」と書いておられます。いや、この線は、そう簡単には真似できません...。

 

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五重塔

 

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『五重塔(NHK美の壺)』 NHK出版

 

いつもお読みいただきありがとうございます。

 

建築というのは普通、何かしらの「用途」というのをもっているものです。

 

でも、お寺にある五重塔には、普通の建築のような用途はありません。
仏舎利というお釈迦様のお骨を納める、という意味はありますが、中で何かする、というものではないんですね。

 

五重塔はむしろ、信仰の対象として、寺院のシンボルとして建てられたもの、外から眺めるために建てられた建築、ということになります。 用途はなくても、寺院にとって大変に重要なものだと言えます。

 

本書は、その五重塔の魅力をわかりやすく教えてくれる良書であります。

 

いわく、

・壱のツボ 軒の曲線に木の技を見よ

・弐のツボ 層が刻むリズムを味わえ

・参のツボ 塔に込められた祈りを感じよ

 

これを読んでから寺院を探訪すると、眼の力が深まって、今までと違う見方が楽しめそうですね。






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