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KJ WORKS 設計士 山口のブログページです。

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KJ WORKSの設計術や家づくりについて私の想いを、日々綴っています。
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6. 山口のモト(インプット色々)の最近のブログ記事

建築イラストレーションの名人

 

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いつもお読みいただきありがとうございます。

 

『桂離宮―日本建築の美しさの秘密 (日本人はどのように建造物をつくってきたか)』 草思社

 

この「日本人はどのように建造物をつくってきたか」というシリーズは、その名のとおり、日本の伝統建築について、その建築の経緯、工法、実際の施工手順、意匠やデザインなどなどを綴った、その建物についてのかなり詳細な解説本です。

 

内容もとても面白いのですが、このような主旨の本ですと、当時の写真が残っていないため、ビジュアルにわかりやすい表現をしようと思うと、どうしてもイラストが主になりますよね。

 

実はそこがこのシリーズの素晴らしいところ。知る人ぞ知る名人、穂積和夫さんのイラストで全編が彩られています。

 

穂積さんは建築学科を出て大手設計事務所に勤務後、イラストレーターに転身されたという経歴をおもちで、その建築イラストの素晴らしさは、何というか、筆舌に尽くし難いもので、もう見ていただくしかありません。

 

私などは、それだけをじいっと見続けてしまって、本文を読むのを忘れて読み終わってしまうほどです(笑)。

 

本書には、建物だけでなく、着物姿の当時の職人が鉋をかけたり、墨付けをしたりといった作業風景、施主である智仁親王が天井高さを決めるため、職人と一緒に寸法を検討している絵、などもあるんです。それらがまた素晴らしい!

 

内容は、小学校6年生以上を対象ということで、建築のプロでなくても充分楽しめる平易な表現となっています。

 

興味がおありの方には、是非読んで、「観て」いただきたい名シリーズであります!



俵屋の不思議

 

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いつもお読みいただきありがとうございます。

 

俵屋と言えば、泣く子も黙る(?)京都の老舗旅館です。その建物、そのお庭の素晴らしさは、つとに有名ですね。

 

この本は、作家・村松友視氏が、その俵屋の素晴らしさ、その本質を、丁寧な取材によって浮かび上がらせたものです。

 

実際に泊まってみての体験は当然として、その室礼、その舞台裏、出入りする職人さん達、関わる骨董屋さんなどの業者さんたちにいたるまで、かなり突っ込んだ取材であり、とても興味深いものばかり。

 

当然、女主人である佐藤年さんへのインタビュー、そしてそのご主人、故アーネスト・サトウ氏のことにも話は及びます。

 

この超有名老舗旅館がいかに成り立っているか。そして「京都」というものの奥深さも実感できる一冊であります。



現実とは何か

 

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『AVATAR』 2009年公開

 

いつもお読みいただきありがとうございます。

 

いや、中々すごいものを観てしまいました。映画「AVATAR」です。もちろん自宅で、DVDですが...。

 

この映画、フル3D映画として公開されていて、DVDのためそれは楽しめませんでした。でもその映像美にもうはっきりいってノックアウトされてしまいましたね。

 

映像美というのは、画像でもおわかりの通り、そのCG(コンピュータ・グラフィックス)の凄まじいまでの精巧さです。「TRANSFORMER」でも感じましたが、ここまでくるともう、私たち人間の視覚では、それを現実としてしか捉えることができないレベル、CGと頭ではわかっていても、現実としてその映像を楽しむことが可能になるレベル、だと感じた次第です。

 

遂に映画は、現実とは違うもうひとつの現実「アナザーワールド」を、充分な説得力を持って提示できるようになったのですね!(ちょっとおおげさでしょうか...。)

 

ストーリーは、正直言って「どこかにこんな感じのがあったぞ」と思いました。あとで気づいたのですが、「ダンス・ウィズ・ウルブズ」という映画と、ほとんどそのパターンが同じです。未開の地、そこに暮らす種族、そこへの侵略と抵抗の物語です。これは、アメリカ人のもっている「物語原型」のひとつなのかもしれないな、と思いました。日本人にはこのストーリーは思いつかないのではないでしょうか。

 

とにかく、理屈抜きで楽しめる映画です。できれば観終わったあとに、ここに描かれた人類による侵略が何かの比喩になっているのでは?というような思いを巡らせていただけると、製作者側は嬉しいのではないかな、そう感じました。



戦国、もうひとつの闘い

 

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『戦国茶闘伝』 三宅孝太郎著 洋泉社新書

 

いつもお読みいただきありがとうございます。

 

「へうげもの」という漫画を愛読しています。あの古田織部を主人公とした、茶をとりまく物語なのです。

 

それに感化されて、茶の世界、茶道具の世界をもう少し知りたいと思って読み始めたのがこの本でした。

 

タイトルにもあるとおり、戦国時代というのは、「名物」と呼ばれる希少な茶道具を奪い合う時代でもあったという、そのようなエピソードを集めた本です。今では想像できないくらいに、それは凄まじいものだったようですね。

 

本書では、いわゆる「名物」というものの成り立ちから書き起こし、かの織田信長が推し進めた「名物狩り」の影響力、そしてそれに翻弄される周囲の武将たち、あるいはそれに抵抗して命を落としたものなど、さまざまな名物茶道具をめぐる歴史上のドラマが描かれています。

 

さらに、「今焼」という新しい価値を創りだそうとした千利休、そしてその意志を継ぎながらも新たな創意工夫を見せた「へうげもの」古田織部なども登場し、先述の漫画ともラップしながら楽しむことが出来ました。

 

たかが器、されど器。小さな茶入ひとつが一国にも等しい価値をもつと言われた時代の人々の感覚は、到底今の私たちには計り知れないものがあります。それは単なるブームというようなものではなく、日常的に「戦」という命に関わる事態があった時代だからこそ、その高まりが尋常でなかったのかなあ、と思ったりもしますね。

 

ちなみに私自身も器は大好きで、中之島の東洋陶磁美術館にも足を運んだりしますが、やはり「名物」と呼ばれるものには、何かオーラのようなものを感じることがあるんです。

 

それはもしかしたら、その器や道具をめぐって繰り広げられた数々の愛憎の物語が、そのモノに染み付いてしまっているのかもしれないなあ。この本を読んで、そんな風に感じたのでした。



骨董の気楽な楽しみ

 

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『くつろぎを知る大人の骨董生活入門』 安河内眞美著 情報センター出版局

 

いつもお読みいただきありがとうございます。

 

著者は、知る人ぞ知るあの「なんでも鑑定団」の鑑定士さん。書画鑑定の強者として、前回紹介した中島誠之助さんをして「最強の布陣」と言わしめた方であります。

 

でもこの本は、そんな強者という感じはなく、肩肘はらずに古いものを楽しみましょうよ、という気楽な喜びに溢れています。

 

さらりとした文章で、骨董の楽しみ方や鑑定法などを紹介していて、その部分だけでもとても楽しめます。

 

でも、読んでいるうちに、著者が二度も命に関わる大病を経験し、それを克服してきたことが段々とわかってくると、その壮絶な人生体験と古美術への愛情が無縁でないことに気付かされるんですね。

 

著者は、「古美術にも生命というか『気』のようなものがある」と書いていますが、それこそ生命の危機に瀕した人だからこそ余計に感じられるものがあるのではないでしょうか。そう思って読むと、これは骨董の本ではなく、人生についての本だったのだなあ、なんて思ったりしたのでした。

 

なお、著者が「気楽に古いものを楽しむ」商品として推進しているものに「風香(ふうが)」という掛け軸があります。

http://www.ysantique.com/fuga.html

これは、古い着物の布地を表具に使ってつくられた掛け軸なんですが、絵と表具の布地の間に意味のつながりが意図されていて、言葉遊びのような楽しさがあるとともに、とてもすっきりしてモダンな部屋にも似合う軸として、何だか楽しそうなものなんです。このような新しい遊びを考えつくあたり、やはり単なる古美術愛好家ではない、「生命の再生」を知る人なんだと感じますね。



映画『火天の城』

 

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映画『火天の城』 2009年公開 日本

 

いつもお読みいただきありがとうございます。

 

以前原作を読んで、その「築城をテーマとする時代劇」という画期的な試みに驚き、仕事柄もその内容がよくわかり、大変感動したものです。その「火天の城」映画版を、このたびようやくDVDにてチェックすることができました。

 

見ての感想は、「原作とは違う物語」であるということでしたね。あまり書くとネタバレになりますので控えますが、原作では又右衛門とその息子との間の確執も大きなテーマだったのが、映画では息子がおらず、可愛らしい娘さんになっていました。その他色々と、原作にはないサブストーリーがあったり。

 

監督は、原作のような「建築」で全編を彩った物語では、私のような建築オタクは別にして一般受けはしない、とふんだのだろうなあ、そんな感じがして、まさに建築一辺倒の映画を期待していた私は、特に後半はつらいものがありましたね。築城の作事の場面がもっともっと多くても良かったのになあ。

 

一番びっくりし、そして落胆したのは、「安土城ができて映画が終わったところ」です。安土城はとてつもない費用と人工(にんく)をかけ、3年という歳月を費やして作られた「永劫の城」だったはずが、実際にはわずか3年、築城と同じ期間しか建っておらず、焼失したのですね。原作では、その炎上の場面、そしてその後の廃墟の場面もあり、それが世の儚さを強烈に印象づけたものでしたが、そこが丸々ないって、どういうこと?終わってからもしばらく、口をポカンと開けていた私です。

 

そんなことで、原作を読んで期待していた私には、正直拍子抜けした部分も多かった映画でした。ただ、主人公の宮大工・岡部又右衛門を西田敏行氏、織田信長を椎名桔平氏が演じていますが、この二人はなかなかの好演だったと思います。さすが「泣きの西田」やなあ、なんて、ちょっとウルウルきながら思った次第です。

 

原作を読んでおられない方には、こちらの物語でも充分楽しめると思いますよ。

 

映画見てから原作を読んだらよかったなあ...。なんて、今更無理なことをつぶやいてみた私なのでした。






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